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by waka-hn
2010・沖縄 祖母の話

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94歳になる私の祖母―父の母に当たるおばあちゃんとは、ずーっと一緒に暮らしていました。

年を取っていろいろな物事の記憶が薄れてしまった今、祖母は実家から車で数分の老人ホームでお世話になっています。
近い場所にあるので、家族も頻繁に顔を見に行くことが出来てありがたい。

先日も母と娘と3人で、おばあちゃんの所へ。

        おばあちゃん。○ちゃんが結婚するのよ。分かる?
        ○ちゃんが花嫁姿で会いに来たら、思い出すかもしれないね。

母が車椅子に座っている祖母に妹の結婚の報告をしていたら、近所に住んでいた顔馴染みのおばあさんが話しかけてくれました。




昔々、祖母は小さな商店を開いていました。
戦争の被害が大きく、皆が必死で生きていた時代。

そのご近所のおばあさん、私の祖母とは「兄弟のように過ごしてきたんだよ」と、優しく昔を振り返ってくれました。

         おばあちゃんはお店をやっていたでしょう。
         当時、私の家には子供がいっぱいいて、お金は出ていく一方。
         買い物に行って「今日はお金がなくって」と言うと、
         いつも「いいよ、持って行きなさい。ある時に払ってくれればいいから」と言ってくれてたよ。
         ねぇ、○○さん。兄弟のように育ってきたよね。

初めて聞く、祖母の話。
おばあちゃんにとって初孫だった私は、小さな頃から散々わがままを言ってきました。
何かおばあちゃん孝行が出来たっけ…と考えていたら、そのご近所のおばあさん、何かを悟ってくれたかのように
 
         あのね。こうやって顔を見せてくれるのが孝行なんだよ。
         おばあちゃんはちゃんと分かっているさぁ。
         ね、おばあちゃん。幸せだねぇ。

と、祖母に声をかけてくれました。
もう90歳を過ぎているのに、若者への気遣いを忘れない沖縄のおばぁ。
別れ際には娘に握手を求め、「じゃあ、チューしよう!」と、彼女の手の甲へ熱烈なキスまでしてくれる、ユーモア心も持ち合わせています。笑
          
強くて明るい、沖縄のおばぁ達。
私もお手本にしようと、改めて感じた日となりました。
by waka-hn | 2010-08-26 15:08 | 沖縄
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