94歳になる私の祖母―父の母に当たるおばあちゃんとは、ずーっと一緒に暮らしていました。 年を取っていろいろな物事の記憶が薄れてしまった今、祖母は実家から車で数分の老人ホームでお世話になっています。 近い場所にあるので、家族も頻繁に顔を見に行くことが出来てありがたい。 先日も母と娘と3人で、おばあちゃんの所へ。 おばあちゃん。○ちゃんが結婚するのよ。分かる? ○ちゃんが花嫁姿で会いに来たら、思い出すかもしれないね。 母が車椅子に座っている祖母に妹の結婚の報告をしていたら、近所に住んでいた顔馴染みのおばあさんが話しかけてくれました。 昔々、祖母は小さな商店を開いていました。 戦争の被害が大きく、皆が必死で生きていた時代。 そのご近所のおばあさん、私の祖母とは「兄弟のように過ごしてきたんだよ」と、優しく昔を振り返ってくれました。 おばあちゃんはお店をやっていたでしょう。 当時、私の家には子供がいっぱいいて、お金は出ていく一方。 買い物に行って「今日はお金がなくって」と言うと、 いつも「いいよ、持って行きなさい。ある時に払ってくれればいいから」と言ってくれてたよ。 ねぇ、○○さん。兄弟のように育ってきたよね。 初めて聞く、祖母の話。 おばあちゃんにとって初孫だった私は、小さな頃から散々わがままを言ってきました。 何かおばあちゃん孝行が出来たっけ…と考えていたら、そのご近所のおばあさん、何かを悟ってくれたかのように あのね。こうやって顔を見せてくれるのが孝行なんだよ。 おばあちゃんはちゃんと分かっているさぁ。 ね、おばあちゃん。幸せだねぇ。 と、祖母に声をかけてくれました。 もう90歳を過ぎているのに、若者への気遣いを忘れない沖縄のおばぁ。 別れ際には娘に握手を求め、「じゃあ、チューしよう!」と、彼女の手の甲へ熱烈なキスまでしてくれる、ユーモア心も持ち合わせています。笑 強くて明るい、沖縄のおばぁ達。 私もお手本にしようと、改めて感じた日となりました。
by waka-hn
| 2010-08-26 15:08
| 沖縄
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